重要なのは、機能と見た目の両方がフィールドに馴染むこと
年に3ヶ月しかない猟期にはライフルを担いで山をゆき、仕留めた鹿や猪は自ら解体して、感謝とともに自家消費する。それ以外の時期には、家族や愛犬とキャンプやドライブに勤しむ日々。頻繁にアウトドアフィールドに繰り出している大野さんにとって、クルマはスタイルの象徴であると同時に実用品。ぬかるんだ悪路でも安心して進める4駆であることが前提で、その都度アクティビティの目的に合わせたツールやギアを積んで、それが必要な時にはクイックに取り出せるようにしている。必然的に物量は多くなるが、それが不快なノイズにならないことも大切。「自然の中にいるときは、できるだけ人工物が気にならないようにしたいんです」と大野さん。車内と外の大自然との温度差を極力無くすことで、 より純度の高いアウトドアに興じるのが大野流だ。

【POINT①】用途に合わせた積み替えができるストレージを活用
コンパクトな4シーターの「ラーダ・ニーヴァ」、そのトランクは決して大きいとは言い難い。そんな限られたスペースで、アウトドアギアや日常使いのツールを管理するために大野さんは数種類のストレージを使用することでトランクの省スペース問題をカバー。現在用途やシチュエーションによってジムニーの最新モデル、JB64と乗り分けている大野さんはその日に乗る車にこのボックスごと積み替えることでスムーズに荷物の移動ができるようにしている。
スペースが限られた車内も、アイデア次第でいくらでも快適に
「全部に言えることですけど、工夫しながら自分に合った道具を選んだり、作ったりしていくのがアウトドアの楽しさだと思います。実際にハンティングやキャンプをするようになって、それまで当たり前のように触れていた洋服とか、ファッションとかのテクニカルな部分の価値っていうのがすごくわかるようになりました。ゴアテックスがどれだけ風を遮って、雨から守ってくれるのかとか、火を扱う時に難燃性のウェアや山登りをするときのULと呼ばれる装備のありがたみだとか。ずっとファッションの世界に関わってきましたけど、ファッションが好きというよりも、モノよりのデザイン美や機能性にシフトしていきましたね。ギアもいろいろ試して、触れてみることが大事だと思うし、スペースが限られた車内もアイデア次第でいくらでも快適に使うこともできます。
この「ラーダ・ニーヴァ」は僕にとって“面倒くさいけど格好いい”クルマ。だから、車内空間のつくりかたもそんなイメージにあっているかどうかが判断基準です。クルマも道具も言ってしまえば何でも良いんですけど、それを選ぶのは全部自分だから。“The Choice Is Yours”ですよね」。